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粘土層におけるこんにゃく充填剤の有効性

粘土層におけるこんにゃく充填剤の有効性

 はじめに

今回は、実際の現場の事例をご紹介します。
この現場では1スパン目140mで推進力が上昇し、マシンが押せなくなったというトラブルが発生。やむを得ず、立坑を掘削してマシンを回収しました。現場のご担当者から、「再発進後はこのようなトラブルが再発することなく到達したい。また2スパン目も安全に押したい」というご相談をいただきました。
本稿では、トラブル発生の原因と対策について解説していきます。

 現場概要

管         径:Φ1200 mm
推 進 延 長: 370 m
土         質: 粘土層
土         被: 6 m
工         法: 泥水式推進工法

 粘土層と推進力

粘土層は掘りやすいですが、推進速度が上がりやすく、土の取り込みが追いつかずに地山を押し分けて推進する傾向があります。この結果、地山は圧密状態となり、滑材は逸失し、推進管にリバウンド、締め付けが発生します。また、粘土の付着力は砂と比べて、8kN/m2と高く、一度付着を起こすと、簡単には取れません。
つまり、粘土層は掘りやすい反面、リバウンドや強い付着力により推進力が大きくなりやすく、結果としてマシンが押せなくなる状況が発生しました。

 

 締め付け、付着を抑制する対策

粘土のリバウンドによる締め付けと付着を防止するためには、推進管と地山の間に、破壊されない強度と十分な摩擦低減機能を持った固形体、いわゆるゲル状滑材を充填、地山と推進管を遮断する必要があります。ちなみに、従来の滑材は粒が小さく、強度がないため、ボイドを確保、維持することが困難です。
当社のゲル状滑材「こんにゃく充填剤」は、当社独自のDDS(ドラッグデリバリーシステム)機能で長期間に亘ってヌメリ成分を安定的に放出、半固形なので逸失せずにボイドを確保、維持できます。

 

 1スパン目と2スパン目の推進力の比較

<推力表>

1スパン目は60mを超えたあたりから、縁切り推進力が上昇し、140m時点で押せなくなり、やむなく立坑を掘削し、マシンを回収。その後、こんにゃく充填剤に切り替え無事到達することができました。
2スパン目は発進直後からこんにゃく充填剤を使用、1スパン目のような推進力の急上昇もなく、無事到達することができました。

 滑材の移動試験

試験目的:
滑材がどの程度の圧力で、どの程度の隙間を通って移動するかを確認する。
試験方法:
底にゴム栓をしたシリンダーに隙間(穴)を開け、滑材を注入した後、上から荷重を加える。

試験結果:
一般滑材(球状粒入り)は1mmの隙間で11.7kN/m2かけると隙間から移動した。
一方、こんにゃく充填剤は1mmの隙間で152kN/m2まで移動せず、3mmの隙間で29.2kN/m2まで移動しなかった。

試験結果から、砂層や礫層と同様、粘土層においても
こんにゃく充填剤が有効であることがわかります。

 製品詳細

こんにゃく充填剤300/700

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