今回は、地質調査における用途別製品活用例をご紹介します。
目次
はじめに
地質調査とは、これから建設する建築物の種類や規模に応じて、敷地内の地盤の地耐力や土質、深さ、構成、地下水位、透水性などを調査することです。建築物の用途や規模、構造などによって必要な地盤の情報は異なります。
ボーリングマシンを用いて地盤を削孔して各深さの土を採取し、地層の構成を調査します。この地盤を削孔するために必要となるのが泥水です。
泥水剤「ホレ-ル」「ホレ-ル2.0」
泥水には主に下記の役割があります。
①孔底から地表まで堀くずを運ぶ
②泥壁を作って崩壊や逸泥を防止する
当社泥水剤『ホレール』と『ホレ-ル2.0』は①・②の効果が高い泥水剤です。当社泥水剤は、流速の速いロッドやビット部ではサラサラとした低粘性を保ち、流速の遅いビットから地表までは掘くずがよく上がるように、ドロドロとした高粘性に変化します。さらに、薄くて丈夫な脱水量の少ない泥壁を作ることができます。
使用量が少なく、作業が楽であることも大きなポイントです。
<適用現場> | |||
粘土層 |
砂層 | 礫層 | |
ホレ-ル | 〇 | ※ | ※ |
ホレ-ル2.0 | 〇 | 〇 | ※ |
〇単独で掘削可能、※ベントナイトとの併用が必要 |
上記の表の通り、ホレ-ル2.0は粘土層・砂層はベントナイトなしで掘削できます。礫層の場合は、ベントナイトを併用して掘削します。
礫層で大きな堀くずが上がらない場合は、ベントナイトの濃度を濃くするか、清水で作泥した『バイオ泥水剤』をホレール泥水に追加投入してください。
注意)『ホレ-ル』『ホレ-ル2.0』を使用する際には、プラスターやセメントを混ぜないでください。泥水劣化の原因となります。
・ベントナイトの約100分の1の量で同等の粘性効果「ホレ-ル」
・シルト層から砂層に変わってもそのまま掘削できる「ホレ-ル2.0」
特殊泥水剤
海上ボーリングや海水の影響がある場所に
通常、泥水を作泥するには清水が必要ですが、海上では清水の確保が容易ではありません。そこで通常の泥水剤に代わり『海水用泥水剤』をお勧めします。本剤は海水で溶いて作泥することができます。
ただし、1週間ほどで粘性が低下するので、長期工事には不向きです。
<海上ボーリング>
土壌汚染浄化工事・水位観測井など
ベントナイトが使用できない現場には『バイオ泥水剤』が最適です。2~4日で自然分解する天然タイプの泥水剤です。2~4日で分解し粘性が低下するため、長期工事には不向きです。
<水位観測井>
・自然分解するためベントナイトが使用できない現場に最適「バイオ泥水剤」
トラブル発生時に
逸泥してしまった
坑壁に亀裂があると泥水の逸泥が発生します。そんなときには『とめ吉』を使用することで逸泥を抑制できます。
注意)使用量をよく守りご使用ください。
泥水が高濃度になりドロドロになってしまった
シルト層や粘土層を掘削すると泥水の濃度が濃くなってドロドロになってしまいます。そんなとき、通常は水を入れて粘性を低くします。しかし、水を入れることにより泥水量が増えてしまい産廃コストも増えてしまいます。
そこで、水の代わりに少量の『太助』を入れることで泥水量を増やさずに粘性を低くしサラサラの泥水にすることができます。
注意)粘性は下がりますが比重は変わりません。
泥水がゲル化してしまった
ベントナイト泥水にセメントが混入すると、ゲル化が起こります。そこで少量の『太助』を加えると流動性が蘇り、再利用可能になります。また、あらかじめ泥水に『太助』を添加しておくことで、セメントが混入してもゲル化せず流動性を保つことができます。
ホレ-ル泥水が分離してしまった
ホレール泥水でシルト層、粘土層を掘削し、泥水がホレールと固形分に分離する場合、少量の『太助』を入れることで分離を抑制します。
・濃くなった泥水の粘性低下、セメント混入時のゲル化防止、泥水の分離抑制「太助」
調査終了後の後処理に
坑壁をすばやく剥離したい
そんなときには『かべトール』を使用します。掘削後の水井戸、温泉井の坑壁を柔らかく溶出させて取り除きます。坑内に送った後、短時間で坑壁の除去が始まるので、少ない待ち時間で次の工程へ移ることができます。
以上、今回は地質調査における製品活用例をご紹介しました。ぜひ、各製品情報もご参照ください。
※各製品とも必ず施工前にテーブルテストを行い、適正な添加量を確認してください。