目次
はじめに
近年の推進工法では、都市構造の複雑化により、長距離化、高土被化、急曲線化などの難工事が増加しています。このような難工事を施工する上での最重要課題は「推進力の低減」です。難工事では、通常の施工に比べて滑材にかかる外力が高くなることが予想されます。
また、泥濃式推進工法は泥水式や土圧式に比べテールボイドが広くなるため、強度が高く、長期間テールボイドを保持できる滑材が求められます。そのため、一般的に一次滑材として可塑性の固結型滑材が使用されています。
固結型滑材とは
テールボイドの広い泥濃式推進工法でよく使われ、通常では掘進機上部1箇所の注入孔を施工難易度により、上下2箇所、上左右3箇所などと変更して施工しています。
固結型滑材に必要な性能
固結型滑材に必要な性能として、以下の事項が挙げられます。
- 推進力低減効果
- 外力(土荷重)による体積収縮が少ない
- 外力によって地山に逸失しにくい
- 地下水の塩分に影響されにくい
- 配合量が少なく、作業性がよい
こんにゃく可塑剤の特長
当社独自の発想で開発した固結型滑材“こんにゃく可塑剤”は次の4つの特長があります。
それぞれ詳しく解説していきます。
地下水の影響を受けない
一般的な固結型滑材の問題点
一般的な固結型滑材は、水ガラス系でテールボイドに注入してからゲル化するため、地下水に希釈され、十分なゲル強度が得られないことがあります。
こんにゃく可塑剤を使用した場合
あらかじめ出来上がったゲルをテールボイドに注入するため、地下水の影響を受けることがなく、高弾力性ゲルが確実にテールボイド全体に充填されます。
低い摩擦抵抗を長時間維持することにより、推進力を低減し、安定した施工が行えます。
以下は室内摩擦試験結果です。
こんにゃく可塑剤の摩擦係数は1/2以下となります。
礫層の場合、外力によって、可塑剤が礫のスキマに逸失してしまうと、テールボイドが狭くなり、地山崩落の危険が生じます。
こんにゃく可塑剤は強度が高く、礫をしっかり支え、長期にわたってボイドを維持します。
<当社YouTubeより>
環境負荷が少ない
pHが中性であるため、環境負荷が少ない材料です。
実際の試験の様子をYouTubeで公開していますので、ぜひご覧ください。
使用現場
推進工事他
製品詳細
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今回は高弾性でテールボイドを確実に充填できる“こんにゃく可塑剤”をご紹介しました。大口径・長距離・急曲線・砂礫玉石などの難工事などでお悩みの方は弊社へご相談下さい。最適な滑材をご提案させていただきます。